| 地球規模の環境問題は、現在の技術体系の部分的な問題ではなく、まさにこの数百年にわたる「近代化」と、この50年間に石油依存型の大量生産・大量消費社会が世界的に急展開したことがもたらした、現代文明社会の本質にかかわる問題であり、現在と未来のすべての人々の生活にかかわる問題です。 約1年前、「地域に根ざした脱温暖化・環境共生社会」研究開発領域の発足にあたって、私たちは、私たちの生活空間でもある現代の「技術と社会が一体となったシステム」を、脱温暖化・脱化石燃料・環境共生のシステムに改造することを大目標に掲げました。いま、その方法論確立の作業(研究開発)を、「具体的な生活者のいる場において、生活者の目線で、今すぐに可能で、しかもみんなでやれば大きな効果を生むはずの課題の定量的な検討」からはじめています。2050年までに世界の温室効果ガスの発生量を半減するという、壮大な歴史的試みを成功させるために、いろいろなヒントを、この研究開発活動の中から生み出せたらと思います。 現在9つの研究開発プロジェクトが各地域で展開しています。しかし、本研究開発領域の掲げる目標は、決して容易に達成できるものではありません。今回のシンポジウムでは、皆様とともに、温室効果ガス-80%に向けた大きな展開をつくりあげ、共有していくために、有意義な議論ができればと考えております。 |
堀尾 正靱 領域総括 東京農工大学名誉教授 |